大阪大学教授 藤本利一
中央大学教授 木川裕一郎
NBL1008号72頁
2013年9月2日月曜日
2013年8月30日金曜日
2013年8月23日金曜日
破産申立ての委任を受けた弁護士が財産散逸防止義務を負うものとされた事例
東京高判平成25年2月6日
判タ1390号358頁
「債務者との間で同人の破産申立てに関する委任契約を締結した弁護士は、破産制度の趣旨に照らし、債務者の財産が破産管財人に引き継がれるまでの間、その財産が散逸することのないよう、必要な措置を採るべき法的義務(財産散逸防止義務)を負う。また、正式な委任契約締結前であっても、依頼者と弁護士の関係は特殊な信頼関係に立つものであるから、委任契約締結後に弁護士としての職責を全うし、正当な職務遂行をなすため、依頼者の相談内容等に応じた善管注意義務を負う。
判タ1390号358頁
「債務者との間で同人の破産申立てに関する委任契約を締結した弁護士は、破産制度の趣旨に照らし、債務者の財産が破産管財人に引き継がれるまでの間、その財産が散逸することのないよう、必要な措置を採るべき法的義務(財産散逸防止義務)を負う。また、正式な委任契約締結前であっても、依頼者と弁護士の関係は特殊な信頼関係に立つものであるから、委任契約締結後に弁護士としての職責を全うし、正当な職務遂行をなすため、依頼者の相談内容等に応じた善管注意義務を負う。
2013年8月22日木曜日
破産財団に対して債務を負担する第三債務者は、破産事件記録の閲覧・謄写をすることができる利害関係人に該当しないとされた事例
東京地決平成24年11月28日
金法1976号125頁
「「利害関係を疎明した第三者」とは、破産事件に即していえば、破産手続によって直接的に自己の私法上又は公法上の権利ないし法律的利益に影響を受ける者を意味すると解するのが相当である。」
金法1976号125頁
「「利害関係を疎明した第三者」とは、破産事件に即していえば、破産手続によって直接的に自己の私法上又は公法上の権利ないし法律的利益に影響を受ける者を意味すると解するのが相当である。」
不動産賃貸借契約終了後の再生債務者・破産管財人の占有に基づく賃料相当損害金が共益債権・財団債権になる範囲
東京高判平成21年6月25日
判タ1391号360頁
金法1976号107頁
「再生手続開始決定がされた後、再生債務者が不動産の明渡期限経過後も当該不動産の占有を継続した場合には、それにより生じた損害金債権は、再生債務者等が再生手続開始後にした行為によって生じた請求権として共益債権となり、それが破産手続に移行した後は、破産財団に関し破産管財人がした行為によって生じた請求権として財団債権となるものと解するのが相当である(最高裁判所昭和43年6月13日第一小法廷判決・民集22巻6号1149頁)。
そして、この場合に共益債権ないし財団債権となるのは、再生債務者等ないし破産管財人の行為と相当因果関係のある損害、すなわち、当該不動産についての共益費用等を含む賃料相当額であると解すべきである。」
「また、上記賃料相当損害金についての遅延損害金が発生する場合において、再生債務者等が再生手続開始後にした行為によって生じた請求権として共益債権となり、あるいは破産財団に関し破産管財人がした行為によって生じた請求権として財団債権となるのは、民事法定利率による遅延損害金であると解するのが相当である」
判タ1391号360頁
金法1976号107頁
「再生手続開始決定がされた後、再生債務者が不動産の明渡期限経過後も当該不動産の占有を継続した場合には、それにより生じた損害金債権は、再生債務者等が再生手続開始後にした行為によって生じた請求権として共益債権となり、それが破産手続に移行した後は、破産財団に関し破産管財人がした行為によって生じた請求権として財団債権となるものと解するのが相当である(最高裁判所昭和43年6月13日第一小法廷判決・民集22巻6号1149頁)。
そして、この場合に共益債権ないし財団債権となるのは、再生債務者等ないし破産管財人の行為と相当因果関係のある損害、すなわち、当該不動産についての共益費用等を含む賃料相当額であると解すべきである。」
「また、上記賃料相当損害金についての遅延損害金が発生する場合において、再生債務者等が再生手続開始後にした行為によって生じた請求権として共益債権となり、あるいは破産財団に関し破産管財人がした行為によって生じた請求権として財団債権となるのは、民事法定利率による遅延損害金であると解するのが相当である」
再生計画案付議時に想定していなかった事態の発生と再生計画の解釈
東京高判平成25年4月17日
判タ1391号354頁
金法1976号102頁
「再生計画案における権利権利変更等の効力は,再生債権者の承認に由来するものであり、そうであるとすると、再生計画案における条項の解釈は、付議決定時点における再生債権者として通常理解しうる解釈をもって決定するのが相当であるし、債務者による一方的な解釈をしうる余地を設けることも相当ではない。また、再生計画案である以上、その内容、特に弁済に関する事項は、再生債権者が理解できるものでなくてはならず、このことは控訴人の指摘を待つまでもなく、いわば自明の理というべきである。しかし、再生計画案の付議決定の時点において計画案が想定していなかったような事態がその後生じ、この想定していない事態を前提にした条項が規定されていない場合には、民事再生法、破産法の原則に照らして、再生債権者の公平、平等を念頭に解釈してこれを解決していくのが相当である。」
「再生債権者が複数の再生債権を有し、その一部について保証等の担保が付されている場合において、再生手続開始後第1回弁済前に連帯保証人による弁済等がされたことにより、再生債権の残額に変動が生じた場合に、本件再生計画によれば、どのような計画弁済をするかということは、本件再生計画が付議決定された平成21年12月4日の時点において、想定されていなかった事態であったというほかない。そして、本件一本化条項を含む本件再生計画は、そのような事態を想定していない状況で策定され、議決の上認可されたものであるから、本件再生計画の解釈においても、その付議決定時点における再生債権者として通常理解し得る解釈をもって決することはできず、結局は、民事再生法、破産法などの原則に照らし、解釈するほかないケースであったというほかない。そして、これらの原則及び本件再生計画の特質などから解釈した本件一本化条項の意義等については原判決が説示したとおりであるから、本件一本化条項に基づき控訴人の保有する複数の再生債権を一本の再生債権とし、これに対して計画弁済がされると解することはできないというべきである。」
判タ1391号354頁
金法1976号102頁
「再生計画案における権利権利変更等の効力は,再生債権者の承認に由来するものであり、そうであるとすると、再生計画案における条項の解釈は、付議決定時点における再生債権者として通常理解しうる解釈をもって決定するのが相当であるし、債務者による一方的な解釈をしうる余地を設けることも相当ではない。また、再生計画案である以上、その内容、特に弁済に関する事項は、再生債権者が理解できるものでなくてはならず、このことは控訴人の指摘を待つまでもなく、いわば自明の理というべきである。しかし、再生計画案の付議決定の時点において計画案が想定していなかったような事態がその後生じ、この想定していない事態を前提にした条項が規定されていない場合には、民事再生法、破産法の原則に照らして、再生債権者の公平、平等を念頭に解釈してこれを解決していくのが相当である。」
「再生債権者が複数の再生債権を有し、その一部について保証等の担保が付されている場合において、再生手続開始後第1回弁済前に連帯保証人による弁済等がされたことにより、再生債権の残額に変動が生じた場合に、本件再生計画によれば、どのような計画弁済をするかということは、本件再生計画が付議決定された平成21年12月4日の時点において、想定されていなかった事態であったというほかない。そして、本件一本化条項を含む本件再生計画は、そのような事態を想定していない状況で策定され、議決の上認可されたものであるから、本件再生計画の解釈においても、その付議決定時点における再生債権者として通常理解し得る解釈をもって決することはできず、結局は、民事再生法、破産法などの原則に照らし、解釈するほかないケースであったというほかない。そして、これらの原則及び本件再生計画の特質などから解釈した本件一本化条項の意義等については原判決が説示したとおりであるから、本件一本化条項に基づき控訴人の保有する複数の再生債権を一本の再生債権とし、これに対して計画弁済がされると解することはできないというべきである。」
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