2013年10月2日水曜日

会社更生手続下の整理解雇においてもいわゆる整理解雇法理の適用があるとされた事例

東京地判平成24年3月30日
判時2193号107頁

「(1) 会社更生手続は,、窮境にある株式会社について、構成計画を策定するなどして、債権者、株主その他の利害関係人の利害を適正に調整し、もって当該会社の事業の維持更生を図ることを目的とする再建型の倒産処理手続であり(会社更生法1条参照)、更生手続開始の決定時点で破綻した更生会社を観念的に清算する手続であるといっても、清算型の倒産処理手続である会社清算・破産手続とは異なり、事業の継続を前提としており、直ちに労働者の就労が拒否されるわけではないこと、(2) 清算型の倒産処理手続下において労働者を解雇する場合であっても、当該解雇には解雇制限規定(労働基準法19条)及び解雇予告規定(同法20条)の適用があると解される上、会社更生手続や民事再生手続のような再建型の倒産処理手続においては、労働者の労働基本権に配慮する趣旨で、更生管財人が労働協約を解除することができない旨の特則(会社更生法61条3項、民事再生法49条3項)が置かれていること、(3) (2)と同様の趣旨で、労働契約は、継続的給付を目的とする双務契約であるにもかかわらず、反対給付不履行の場合の履行拒絶禁止規定が適用されない旨の特則(会社更生法62条3項、民事再生法50条3項)が置かれていることに鑑みると、会社更生手続下でされた整理解雇については、労働契約法16条(解雇権濫用法理)の派生法理と位置づけるべき整理解雇法理の適用があると解するのが相当である。」

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